みかづき社労士ブログ【@東大阪・大阪東部】

労働基準法における「労働者」の判断基準 約40年ぶりに見直しの議論

2025年06月08日 10:40

「労働者」の定義を定める「労働基準法」はもともと1911年施行の「工場法」から始まっているわけですが、その時代からすると考えられないような働き方が増えて来ましたし、ここに来てまたUberなどの新しい仕事の形も生まれてきています。

明確にする必要がありますね。


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◆研究会の目的

厚生労働省は5月1日に「第1回 労働基準法における「労働者」に関する研究会」を開催し、労働者性の判断基準の在り方などの検討を開始しました。この研究会では、「労働基準関係法制研究会報告書(令和7年1月8日公表)」において、労働基準法研究会報告「労働基準法の『労働者』の判断基準について」(昭和60年)の作成から約40年が経過し、働き方の変化・多様化に必ずしも対応できない部分が生じており、この間に積み重ねられた事例・裁判例等を分析・研究し、学説も踏まえながら見直しの検討をすることや、国際的な動向も視野に入れながら総合的な研究を行うことの必要性について指摘がなされ、同省において専門的な研究の場を設けて総合的な検討を行うべきこととされました。

 

◆検討事項

この研究会では、次の事項について調査・検討を行うこととされています。

① 労働基準法上の労働者性に関する事例、裁判例等や学説の分析・研究、プラットフォームワーカーを含む新たな働き方に関する課題や国際的な動向の把握・分析

② 労働基準法上の労働者性の判断基準の在り方

③ 新たな働き方への対応も含めた労働者性判断の予見可能性を高めるための方策

 

◆「労働者」の判断基準

現在、労働基準法上の「労働者」に当たるか否かについては、以下の2つの基準で判断されることとなっています。

・労働が他人の指揮監督下において行われているかどうか、すなわち、他人に従属して労務を提供しているかどうか

・報酬が、「指揮監督下における労働」の対価として支払われているかどうか

この2つの基準を総称して「使用従属性」と呼ばれています。

 

近年、配達員やアイドル、劇団員、英会話講師等が労働者として認められる裁判例があり、この研究会の議論により条件がどのように見直されるのか、今後の動向が注目されます。

【厚生労働省「労働基準法における「労働者」に関する研究会 第1回資料」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57506.html